Associate 分野 6:ガバナンス、リスク、責任ある利用
Associate – Foundations の出題分野 6「ガバナンス、リスク、責任ある利用」(Governance, Risk, and Responsible Use)を、試験ガイドの項目ごとに見ます。比重は 15% です。
ガバナンスは、組織が AI の使い方についてルールを決め、守られているかを管理することです。この分野は、「何に使ってよいか」「どんなデータを入れてよいか」「組織のルールにどう従うか」「倫理的に問題がないか」の判断を問います。
この分野の項目
試験ガイドは、この分野について 4 つの項目を挙げています。日本語版の試験ガイド(Version 1.0)の言い方に合わせ、短くまとめました。
| 番号 | 項目 |
|---|---|
| 1 | 適切なユースケースと不適切なユースケースを見分ける |
| 2 | データの機密性、規制、プライバシーへの配慮を行う |
| 3 | 組織の AI ポリシーとガバナンスの基準に従う |
| 4 | AI 利用の倫理的な影響を理解する |
この分野で使う言葉です。
| 日本語 | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| 利用規約(利用ポリシー) | Usage Policy | Anthropic が定める、Claude の使い方のルール。禁止される使い方と、追加の条件が要る使い方が書かれている |
| 機密性 | confidentiality | 決められた人だけが見られるように、情報を守ること |
| ヒューマン・イン・ザ・ループ | human-in-the-loop | AI の出力を使う前に、人が確かめて判断する仕組み |
| 開示 | disclosure | AI を使ったことを、相手に知らせること |
| 倫理的責任 | Diligence | AI活用力の 4D の 1 つ。AI を責任を持って、倫理的に使うこと |
項目 1 適切なユースケースと不適切なユースケースを見分ける
- 要点
- 禁止されている使い方がある。利用規約は、法律に違反する行為、武器の開発、暴力や憎悪をあおること、プライバシーの侵害、偽情報の作成や拡散、詐欺などを禁止している。
- 影響の大きい使い方には、追加の条件がある。利用規約は、法律、医療、金融、信用、保険、住宅、雇用、教育と資格などの分野で、人に関わる推奨や判断に AI を使う場合を挙げている。この場合、資格のある人が、変更する権限を持って、使う前に確かめる必要がある。影響を受ける人には、AI を使ったことを伝える必要がある。
- 禁止されていなくても、試してうまくいかない作業は任せない。Claude 101 は、何度直しても正しい結果にたどり着けない作業は、委任すべきでないと学んだことになる、としている。
- 公式ドキュメント:Anthropic の Usage Policy(2026 年 11 月 12 日に発効する版)。禁止される使い方の一覧と、影響の大きい使い方の条件(High-risk Use Case Requirements)。
- 試験での見分け方
- 禁止に当たる使い方は、どんな理由があっても不適切。
- 影響の大きい分野は「使ってはいけない」ではなく、「人が確かめ、AI を使ったことを伝えれば使える」。
- 紛らわしいもの:利用規約は、人にとって全面的に有利な判断(保険金を払う、など)は、法律が許す範囲で、人の確認なしに進めてよい場合があるとしている。ただし、AI を使ったことを伝える必要は残る場合がある。
項目 2 データの機密性、規制、プライバシーへの配慮を行う
- 要点
- データがどう扱われるかは、プランによって違う。
| プラン | 会話がモデルの学習に使われるか |
|---|---|
| 個人向け(Free、Pro、Max) | 設定の「モデルの改善」(Model Improvement)で許可した場合に使われる。安全のための審査の対象になった会話も使われることがある。シークレットチャット(Incognito)は、設定にかかわらず使われない |
| 法人向け(Team、Enterprise)と API | 初期設定では使われない |
- どちらのプランでも、高評価・低評価のボタンでフィードバックを送ると、その会話は利用者の ID と切り離したうえで、学習に使われることがある。Team と Enterprise では、組織のオーナーがフィードバックのボタンを止められる。
- 個人情報や顧客の情報を入れるときは、そのプランと設定でどう扱われるかを確かめる。人のプライバシーを侵害する使い方は、利用規約で禁止されている。
- 公式ドキュメント:Anthropic の Privacy Center の「Is my data used for model training?」(個人向けと法人向けで別の記事がある)。
- 試験での見分け方:機密のデータを扱う場面では、「組織が認めたプランと設定で使う」「必要のない個人情報は入れない」選択肢を選ぶ。
- 紛らわしいもの:「AI に入れたデータは必ず学習に使われる」も「絶対に使われない」も、どちらも正しくない。プラン、設定、フィードバックの有無で変わる。
項目 3 組織の AI ポリシーとガバナンスの基準に従う
- 要点
- Team と Enterprise では、組織の管理者が機能を管理する。たとえば、ウェブ検索は、オーナーが組織の設定で有効にしてから、メンバーが使えるようになる。メモリ(会話の内容を覚えておく機能)は、Team と Enterprise では初期設定で切られていて、オーナーが許可すると使える。
- 組織の AI ポリシーは、使ってよいツール、入れてよいデータ、確認の手順などを決めている。個人の判断で、そのルールの外で使わない。
- 公式ドキュメント
- ヘルプセンターの「Enable and use web search」。Team と Enterprise では、オーナーが先に組織全体でウェブ検索を有効にする必要がある。
- Claude 101「Claudeとの最初の会話」の「Claudeをパーソナライズする」。メモリの初期設定がプランによって違うことが書かれている。
- 試験での見分け方:「便利なので、会社が認めていない個人のアカウントで仕事のデータを扱う」は、不適切な選択肢。「組織のポリシーを確かめ、分からなければ担当者に聞く」が正解になりやすい。
- 紛らわしいもの:「個人のアカウントを会社の仕事に使わない」「分からなければ担当者に聞く」は、公式ドキュメントにそのまま書かれたものではなく、このサイトでまとめた考え方。
項目 4 AI 利用の倫理的な影響を理解する
- 要点:AI活用力は、倫理的責任を 3 つに分けている。
- 作成:どの AI を使うか、どう関わるかをよく考える(どんなデータを共有するか、プライバシーやセキュリティの面で問題がないか)。
- 透明性:作業で AI をどう使ったかを、関係者に正直に伝える。
- 展開:使ったり人に渡したりする結果を、確かめて責任を持つ。
- 利用場面(個人、学術、ビジネス)によって、開示と検証への期待は違う。
- 利用規約は、利用者と直接やり取りするチャットボットに、相手が AI であることを伝えるよう求めている(少なくとも会話の初めか、製品の画面で)。
- 公式の教材と公式ドキュメント:AI活用力「倫理的責任 (Diligence) を詳しく見る」。Usage Policy の Additional Use Case Guidelines。
- 試験での見分け方:「AI が作ったので、責任は AI にある」は誤り。責任を持つのは、使った人。
- 紛らわしいもの:偏り(バイアス)への気づきは、分野 2 の項目 2 でも扱う。分野 6 は「その出力を使ったときに、人や社会にどんな影響があるか」まで考える。
確認問題
すべて自作の問題です。
教材で確かめる
| 教材 | 読むところ | 当たる項目 |
|---|---|---|
| AI活用力「倫理的責任 (Diligence) を詳しく見る」 | 「重要なポイント」と、演習の「ステップ2」 | 4、2 |
| Claude 101 レッスン 2「Claudeとの最初の会話」 | 「Claudeをパーソナライズする」のメモリの説明 | 3 |
| Claude 101 レッスン 3「より良い結果を得る」 | 「例:データ分析にClaudeを使用する」の最後(任せるべきでない作業) | 1 |
| Claude 101 レッスン 7「スキルを活用する」、8「ツールを接続する」 | 「セキュリティに関する考慮事項」「セキュリティと権限」 | 2 |
Claude 101 には、ガバナンスを中心に扱うレッスンはありません。この分野は、利用規約と Privacy Center の内容を、このページでしっかり押さえてください。Claude 101 のレッスン 7・8 は、見出しから判断しました。
確認の記録
- Claude Certified Associate – Foundations 試験ガイド(日本語版、Version 1.0、2026 年 7 月。Anthropic Partner Academy で公開)
- Usage Policy(Anthropic):2026 年 11 月 12 日に発効する版
- Is my data used for model training?(Privacy Center、個人向け)
- Is my data used for model training?(Privacy Center、法人向け)
- Enable and use web search(Claude Help Center)
- Claude 101(Claude Academy):レッスン 2、3
- AI活用力:フレームワーク&基礎(Claude Academy):「倫理的責任 (Diligence) を詳しく見る」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最終確認日 | 2026 年 10 月 29 日 |
| 検証の状況 | 公式ドキュメントと Claude Academy の教材の内容をもとに書いている。設定の画面は確かめていない |
| 確かめていない内容 | 「モデルの改善」の設定、シークレットチャット、組織の管理画面の実際の表示。利用規約の 2026 年 11 月 12 日より前の版との違い。試験ガイド(2026 年 7 月)が、どの版の利用規約をもとにしているか |